ブリューゲル「バベルの塔」展の銅版画が良かった話
東京都美術館で7/2まで開催しているブリューゲル「バベルの塔」展行ってきました。
展覧会の目玉は「バベルの塔」の油彩画なんですが、銅版画がかなり多く展示されていて〈銅版画やってる勢〉としてはそっちが結構満喫できました。
銅版画モンスター祭り
銅版画といっても普通の絵じゃなくて奇怪なモンスターを彫ってます。
このように公式サイトもモンスター推し。
このモンスター達、エングレービングっていう技法なんですが、「ビュラン」という彫刻刀で彫られています。
こんなやつ
これのコントロールはすごく難しくて、自分はちょっと触って速攻挫折しました。
彫ってると銅の繊維とかに引っかかっるんですが、グイッと力を入れると入れ過ぎて、勢い良くはみ出す!さらに勢い余って反対の手に刺さったりして危ない!無理だ!
そういう難しい技法でこの密度です。
こんなすごいテクニックでキリストとか聖人じゃなくて面白モンスターかよ!
という風な変な感動をしたわけです。
なんか才能の無駄遣いというか。
刷ってみて絶対笑ってだろこいつらは。
そういうのが滲み出るハイテンションな画面です。
バベルの塔
肝心のバベルの塔も期待以上に良かったです。緻密さがすごい。ウィーンにあるもう一作のバベルの塔よりもサイズが小さいですが、今回来てる奴の方が良かったかも。密度が濃縮されているというか。
ただ、バベルの塔の前は混雑し過ぎててじっくり観れなかったのが残念。係員さんが「立ち止まらないようにお願いしま〜す」とずっと誘導していました。
行くなら平日にいって細部を眺めるのがオススメです。